こんにちは。しんせつなペイト(@sinsetunapeito)です。
水彩沼にハマっていくと、必ず出会うものがあります。
そう、それは分離色…
以前は知る人ぞ知るという感じだったのですが、最近(2023年2月現在)では、各メーカー分離色の開発に力を入れているので、比較的手に入りやすくなりました。
とはいえ、混色して分離色を作る楽しさを伝えたい…!
というわけで今回は、透明水彩の絵の具を混色することで、分離色を作ってみよう!という企画です!
きっかけはホルベインさんのこちらのサイトを見たことです。
ピロールレッドとセルリアンブルーで、SUPER VISIONの羽仙歌に似た色ができている…!
そう、羽仙歌はペイトが水彩沼にハマった原因とも言える幻想的な色の絵の具…!
これを、自分の手で生み出したい!と思い、混色して分離色を作るという今回の企画に発展しました。
今でこそ身近な存在になった分離色ですが、混色して作る楽しさもひとしおですので、どうぞお付き合いください!
分離色について
以下、分離色についての説明が続きますので、不要な方は読み飛ばしてくださいm(_ _)m
そもそも分離色とは?
パレット上で混色したにもかかわらず、紙の上に塗った時に色が混ざりきらず分かれて見えることがあります。
それが絵の具の分離です。
自分で混色しなくとも、ダニエル・スミスのムーングロウのように、顔料の配合によって色が分離する絵の具もあります。
ステイニングとグラニュレーション
絵の具の色が分離する現象ですが、これは顔料の粒の大きさを利用したものとなります。
粒子の大きさがもたらす効果については、ホルベインのサイトから引用させてもらいます。
ステイニング(染着性)
ステイニングとは紙に対する染みつきやすさのことを言います。
顔料の粒子が細かい色は紙の繊維深くに染み込み、描画した部分を色抜きするのが難しくなります。(中略)
グラニュレーション(粒状化)
https://technical-info.holbein.co.jp/a244
グラニュレーションとは使われている顔料の粒子が大きいか、あるいは凝集して大きな塊になりやすい色が紙表面の凹みに溜まり、ザラザラとした質感を与える現象です。
分離色は、このステイン色とグラニュレーティング色を組み合わせる事によって、比較的簡単に作ることが出来ます。
ちなみに、コバルトやカドミウムなど、金属の名前が付いている絵の具は粒子が重たいものが多いので、分離色を作る際に良く使われます。
参考:各メーカーの粒状化する絵の具
ちなみに、粒状化する絵の具について、メーカーさんのツイートを見つけたので貼っておきます。
新マイメリブルー水彩絵具で粒状化(グラニュレーション)する色を集めました。グラニュレーションは高い比重の無機及び天然土系顔料に見られる物理化学的自然現象です。顔料が紙表面の凹凸に集約し紙の目を強調して独特な紋様を生み出します。_φ(・_・メモシトコウ#マイメリ #マイメリブルー pic.twitter.com/IDBd0lTJF3
— ㈱大日本美術工芸/マイメリ (@dnb_maimeri) October 17, 2019
☆ホルベイン透明水彩絵具グラニュレーションカラー23色のご紹介☆
— ホルベイン【公式】 (@HolbeinArt) December 24, 2019
顔料のつぶつぶ感があり、他とは違う独特のテイストを生み出すグラニュレーション。
何色か知りたいというお声を多くいただき、オンラインショップのみですが表記することとなりました!
色見本作りましたので是非!!#水彩 #水彩画 pic.twitter.com/Y85Ud7u6jh
粒状化する絵の具のザラザラ感は、イラストに独特の印象を持たせてくれますので、うまくイラストに取り入れていきたいですね!
早速分離色を作ってみる!
混色で作る分離色…
どの色とどの色を組み合わせたら綺麗になるか、何となく想像はつきますが…
それだと面白くなくなくない?
というわけで、総当たり戦で作ってみることにしました!
分離色作りに選んだ色
とはいえ、全部試すのは辛いので、ホルベインさんのS色とG色のリストから適当に9色ずつチョイスしました。
※さっき引用したサイトから、リストをダウンロードする事ができます。
グラニュレーティング色
- カドミウムレッドライト(PR108)
- オリーブグリーン(PY150,PG7,PBr25)
- ビリジャン(PG18)
- セルリアンブルー(PB35)
- ウルトラマリンディープ(PB29)
- コバルトバイオレットライト(PV47)
- ブライトローズ(ルミナス)(BV17,AB83)
- バンダイキブラウン(NBr8)
- ピーチブラック(PBk1)
ステイン色
- ピロールレッド(PBR254)
- カドミウムイエローペール(PY35)
- カドミウムイエローオレンジ(PO20)
- シャドーグリーン(PBk31)
- マリンブルー(PB16)
- フタロブルーレッドシェード(PB15)
- インジゴ(PB15,PBk6,PR122)
- セピア(PBr7,PBk7)
- ペインズグレイ(PBk6,PB15,PR122)
早速色を混ぜて作っていきます!
混ぜ混ぜしました
はい、出来上がりはこんな感じです。紙はホワイトアイビスを使いました。
高画質版をpixivにUPしましたので、拡大してご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
ちなみに、まっちの三原色とも総当たり戦をしました。
それがこちらです。
まっちは三原色をステイン色の代わりに使いました。3色だけだったので、グラニュレーティング色はほぼ全部使いました。
基本的には絵の具の分量が半々になるように混ぜましたが、ペイトは雑なので分量が違ったり水分量が多かったりしてます
まっちの絵の具については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、気になる方はどうぞ!
オススメの色
思った通り…というか、S色とG色を組み合わせたからといって全ての色が分離するわけでは無いですね(^_^;)
いくつかの色は割と綺麗に分離しましたので、ペイトのオススメの組み合わせを書いておきます。
- ピロールレッド+セルリアンブルー
- フタロブルーレッドシェード+コバルトバイオレットライト
- シャドーグリーン+ウルトラマリンディープ
- ブルー(まっち)+コバルトバイオレットライト
- ブルー(まっち)+カドミウムレッドパープル
- ブルー(まっち)+バーントシェンナ
基本的には、青・紫系のG色は粒状化しやすいので、どの色を持ってきても分離しやすいと思いました。
特に、ブルー系のG色とレッド系・グリーン系のS色、パープル系のG色とブルー系のS色の掛け合わせは色の濁りも少なくおすすめです。
顔彩とも混ぜてみた
なんとなく手持ちの顔彩とも混ぜてみました。
おお、結構いい感じの分離色が出来上がりました。可能性は無限大ですね…!
まとめ
というわけで、分離色を自分で作ってみるという企画でした。
今回はホルベインとまっちで試してみましたが、他にも色んなメーカーさんの絵具で試してみたいですね。
それでは!ペイトでした~!