こんにちは、しんせつなペイトです。
もう6月になっちゃいましたね~!1年の半分が過ぎ去ったことに衝撃を受けてます。
さてさて、ホルベインや呉竹の新色を始めに、未だ冷めやらぬ分離色ブーム…!もうブームは落ち着いたかな?というタイミングで各社新色を発表するので、全く油断なりません…笑
ペイトのブログでも、度々分離色についてご紹介してきましたが、そういえば色(絵具)の紹介がメインで、「分離色ってなんだろう?」と言うような基本的な事についての記事はなかったなぁと思いまして…
折角なので、色々な観点で分離色にアプローチしてみようと思います!分離色はじめましての方も、分離色沼にずぶずぶの方も、どちらも楽しめる内容になってますのでぜひお付き合いください~。
分離色とはなにか?
冒頭でも触れた問いですが、そもそも分離色とは何なのでしょうか?
それは、名前の通り、「色」が「分離」する絵具のことを指します。
なぜ色が分かれるかというと、顔料の大きさの違いによるものです。絵具は顔料(色のもと)と糊剤(顔料を定着させるもの)でできていますが、顔料の中には比重が大きいものから小さいものまで様々。
顔料の比重が大きいものと、小さいものを混ぜ合わせることで、色が完全に混ざりきらず、2色に(もしくはそれ以上に)色が分かれて見える…というのが、分離色の原理になります。
主に透明水彩界隈で使われることが多い分離色ですが、アクリル絵の具やコピック、カラーインク、顔彩でも色が分離する現象はあります。
以前スパビからアクリル絵の具の分離色が発売されたのですが、日本でゲットするのはなかなか難しいです…
SNSでは「分離色」という通称で呼ばれることが多いですが、絵具メーカーでは「グラニュレーティングカラー」「グラニュレーションカラー」という表記で販売されています。
なぜ分離色が人気なのか?
分離色という現象については、ブーム前から水彩をよく使っている人には知られていました。
絵の具で言うと、ダニエル・スミスのムーングロウなんかはブームの前から水彩ユーザーの間で人気でした
ブームの火付け役となったのは、やはり、SUPER VISIONの絵の具ではないかと思ってます。
誰も見た事がないような色の組み合わせ、色が分かれること自体を主役にした絵の具ということで、登場したときは水彩界隈がどよめいたのを覚えています。
以後、各メーカーから分離色が販売されていきましたが、下記にざっと歴史的なものをまとめました。年代はかなりざっくりなので、多少の前後あり、ということでご覧いただけると幸いです。
抜け漏れあると思いますが、ご容赦ください!
年代 | できごと |
---|---|
?? | ダニエルスミスの分離色が一部の水彩ユーザーの中で話題に |
2019年頃 | SUPER VISIONの分離色発売(羽仙歌など) |
〃 | レンブラントより、ダスクシリーズ発売 |
〃 | Roman Szmalの分離色が話題に |
2020年頃 | シュミンケのグラニュレーティングカラー発売 |
2021年頃 | Rockwell、MAIRTINI(マティーニ)から分離色販売 |
2022年頃 | クサカベから「ハルモニア」シリーズ販売 |
2024年 | 呉竹から「顔彩耽美 グラニュレーティングカラーズ」販売 |
2024年 | ホルベインから、「グラニュレーティングカラーズ」24色販売 |
そんな分離色の魅力ですが、なんといってもやはり、ただただ単純に色が綺麗である、という所かなと思っています。
2つ以上の色が組み合わさり、色が分かれて見えることで、1色の時よりも複雑な色になること、また、塗る度に色々な表情を見せるので、そのランダムさが塗っていても楽しいです。
また、分離色を使うことで、絵の情報量が増える、というところも水彩ユーザーに受け入れられてきた部分かもしれません。
オススメの分離色
今はSNSでも色見本を上げてくださってる方が沢山いらっしゃいますし、メーカーさんの色見本も凄く分かりやすいので、そういうのを参考にしながら気になった色を買う、というのがスタンダードかなと思います。
ただ、分離色群雄割拠状態ですので、「こんなに沢山あるとどれがいいか分からない…!」という方も多いのではと思います。
完全にペイト主観ではありますが、オススメの分離色についてまとめていきますので、良ければご参考にされてください。
【万人向け】使いやすい分離色
やはりなんと言っても、ダニエルスミスのムーングロウをはじめとする、暗紫系の分離色がとても使いやすくておすすめです!
定番中の定番とも言える分離色で、まずは黒の代わりに使ってみてください。
使いやすさで言うなら、ブラウンやオリーブグリーン系の分離色もおすすめです!
どこで使う?!おもくそ派手な分離色
①と打って変わって、「こんな色どこで使えばいいんだ…?!」という派手系の分離色をご紹介します。
使い道は全く分かりませんが、細目の紙でもかなり分離するので、分離色の醍醐味を味わうことはできます笑
呉竹 顔彩耽美 グラニュレーティングカラーズ
呉竹から販売されている、顔彩耽美 グラニュレーティングカラーズ!5色セットで2,000円くらいという手に取りやすい価格も推したいポイント。
(おそらく)蛍光色が使われているため、どちらかというとカラーインクを思わせる派手な色合いで、本当にどうやって使おうかと頭を悩ませています笑
今ペイトが一番ハマっている分離色です笑
SUPER VISIONの派手な分離色
ハデ分離色と言えば、やはりスパビは外せないですね…!
チューブの中で褪色する問題など、品質面で若干難ありなところもありましたが、摩訶不思議な色合いはやはり唯一無二感があります…!
日本のマーケティング担当の方が退職されたためか、以前に比べると手に入りにくくなったのがネック。一部の絵具はAmazonで購入できますので、気になったら覗いて見てくださいね!
沢山あるよ、紫系の分離色
紫系の分離色は、とにかくたくさんあります…!!以前記事にしたことがあるのですが、そこから更に増えました…!
わけがわかんないくらいたくさんあります…!
紫色も影色等に使えるので、一本は持っておきたいかな、という便利色。
下塗りに使えるピンク系の分離色
ピンク系の分離色、ホルベインとクサカベからそれぞれ販売されていますが、薄く溶いて下塗りに使ってます。
シェルピンクとかベビーピンクとかでももちろんいいのですが、やや粒状化するところが面白くて気に入っています。
分離色を自分で作ってみる!
ここまで、メーカーさんが販売されている分離色を中心にお伝えしてきましたが、実は、分離色は自分で作ることができます。
顔料から練って作る必要はなく、市販の絵の具同士を混ぜ合わせて作ることが出来ます。
ブログでも以前まとめたことがありますので、詳細は割愛しますが、G色(グラニュレーティング色)と呼ばれる、顔料の比重が大きい絵の具とそれ以外の絵の具を混ぜることで作ることができます。
結構簡単に作れますし、混色の練習にもなるのでぜひ試してみてください!
分離色を買うのを迷ってるなら、まずは自分の手持ちの絵の具で作ってみてもいいかも♪
分離色を塗るのに向いてる紙
透明水彩といえば水彩紙…!分離色の分離感をより味わいたいのであれば、荒目の紙がおすすめです。
なぜかというと、紙の表面が凸凹している方が重たい顔料の沈み方が分かりやすいためです。
ただ…荒目の紙はかなり表面が凸凹しているので、人によっては苦手に感じるかもしれません…
絵具によって分離しやすいもの・しにくいものもあるので、紙のことはあまり気にせず、基本的には普段自分が使っている紙を使う、でいいと思います~。
試しに細目・中目の紙に塗り比べてみました。使ったのはSUPER VISIONの如夢令・紫です。
中目のほうが、うろこ状に顔料が見えるニャ~
紙目によって見え方が違うから、色々試してみるといいニャッ!
分離色を塗るのに向いてる筆
分離色を塗るうえで、筆のことはあんまり気にしたことがなかったのですが、名村さんがまとめてくださってました!
一番重要なところを引用させてもらいますので、分離色を塗る際にちょっと気にしてみるといいかもしれません。
分離を強く出すには、素材で言えば天然毛や高機能ナイロン毛、形状で言えば根元が太め、といった絵具含みが良い筆を選ぶと良いです。
https://min.togetter.com/SwW9q0n
また、分離させつつそれを描き込みに活かすのであれば、保水力がありながら穂先は利く筆が理想です。
まとめ記事内では、ペイトの推し筆の雅心東紅や、特選東紅、Raffineなどがご紹介されていました。
まとめ
以上、分離色についてのまとめ記事でした!
まだまだ語り足りない気がするのですが、すでに1万字以上書いてしまったのでこの辺で切り上げますね…笑
それでは、ペイトでした!皆さんの好きな分離色もぜひ教えて下さいね~!